Saturday, February 04, 2017

碧空943 モノ遠イ瞬間、ムジナの瞬間

943 モノ遠イ瞬間、ムジナの瞬間  the Snopesを代表する蜃気楼のような「村」、「町」、「館」(W.Faulkner)、この遠景、中景、近景に遠心分離したスノープスの履歴には、そのトーテム、その元素が遍在していて、日が暮れた道に踏み込んだ旅人が森の闇の奥に忽然(apparition-like suddenness)小さな火をみとめたような一気に遠近法が崩壊するモノ遠イ瞬間、すなわち、遠近法的奥行に面してそのことが疑わしくなる(ホログラムであることが隠しおおせなくなる)ムジナの瞬間がある。世界の不安である。  このホログラムが打ち消されて潜伏することで安らって日常の振りをする(しかし狸囃のような)ジェファソンを、チャールズ・マリソン、ギャヴィン・スティーヴンズ、V・K・ラットリフが、それぞれのぞき穴を通して目撃証言するのは腹話術にかかっているようなもので、いきなり二回目にしてジェファソンが話すのであるが、遠近法の効果では、この、いきなり二回目ということは平均化に見える。極端に私的であるはずの目撃がいきなり一般化されてしまっているのであるが個別化の振りをするのである。  この個別化の振りは一般化であるから、誰かがいるはずだという有性生殖的な信頼に基づいている。そのような個別化の振りは虚栄だろうか。そうだとすれば、私ココニイマスというように呱々の声を上げることも虚栄の発露ということになる。

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