Saturday, March 04, 2017

碧空962 野生の夢に耐える

962 野生の夢に耐える  野生のトウモロコシは知られていない。その野生の夢は栽培だからである。遠近法の効果では、苞に包まれて自らは散種しにくいからかに見えるが、書物が書簡であるかのように個別化されて焦点が絞られた野生のトウモロコシは、まるで自生状態で本当の話し主の接近に感応して、書物のように一般化された栽培のトウモロコシの振りをして思いがけない(無も同然の)景色なのである。それは野生の夢に耐えている。  その剥き出しの生々しく覆う生気は窃視の如くにして、胚発生の或る段階で目になる部位を腹になる部位に移植すると胴体に目がみひらくというような(沈黙も同然の)霊的に拡大して薄気味悪く迫る目こそは、「私」や直しさを規定するが、この輪郭づけは輪郭を脅かす。そのようにして、怪物性は窃視と輪郭喪失なのである。

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