碧空977 最初の気配
977 最初の気配
最初のものへの遡上は、最初のものが宙に浮いてしまう。遡上しなければいつまでも最初のものであるが、最初の気配は(消えて)歴史の気配の振りをする。この、起原が歴史の振りをする振動が瞬間であり、奥行がないかのようにつづく。写真は瞬間なのではなく、いつまでも瞬間にならないのに瞬間の振りをし、ビッグバンは最初のものだが終わってはいない、いつまでも事件にならないのである。
リンチはおぞましい双子の気配を取り消す。「壁に写る影」の余計な受肉を取り消すのである。いつまでも事件にならない擬似摂理であり、究極のリンチは自殺であり、奥行があるかのようにつづく。ユーラの自殺はジェファソンが双子の気配を取り消すことなのに公ケノモノにならない究極のリンチであるが、ジェファソンに戻らないはずだったリンダ(ユーラの娘)が何か最初のもの、例えば、最初の女の戦争帰還者でなければならぬとジェファソンが漠として感じるのは、奥行がないかのようにつづく気配と奥行があるかのようにつづく気配との混同が、有性生殖的に分業した包容力と暴力の混合種、ユーディットのような最初の存在となって夢のように顕在化しているのである。つまり、青海原のようなユーラの最初の包容力の気配は(消えて)リンダを媒体にして起原が歴史の振りをするのであるが、ユーラはいつまでも事件にならない。(ジェファソン W.Faulkner)


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