碧空1018 移り変わる、消えて行く(不思議な)気配
1018 移り変わる、消えて行く(不思議な)気配
一体、移り変わる、消えて行く気配とはどういうことなのか。それは、進歩の気配ではなく、進歩が排除する、従って進歩を拒否する(一般化の猛威に屈しない)龍の如き絶景で、自然や歴史の連続性や反復性が排除する実体のない気配、個と種の間の、部分と全体の間の、この世のものと種の夢の間の決壊である。
それは、逃げ場のない空気を呼吸するようなものなのに間違ったとまでは言わぬまでも反抗するようにずれた道標に導かれる即興の、瞬間移動、何世代も致命的に隔たっているのに距離の揮発した声、龍の如き呼び声なのに、一般化の猛威の振りをするために排除されて曖昧な、微妙な気配になるのである。
「雨樋を伝って駆け落ちする」脱皮は、百年も器官を延長してどんなに個の振りをし、冒険と逸脱の振りをしても一般化の猛威を躱せない。しかも他の誰かとなって想起する献身も躱せない。それは、雌雄異体の気配をズーム・アップして写真のように感光した痕跡(提喩)である。移り変わる、消えて行く気配がふしぎな感じ、奇妙な方向であるのは、この、胸ガ潰レルヨウナ痕跡の弾力である。


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