碧空1023 惑星のような、不成就の気配
1023 惑星のような、不成就の気配
他の誰かとなって想起する献身を、個の振りをする種となって想起する進化論は、個の苦悶を自食的に若返る種が鎮めるのであり、個の振りをする種を、雌雄異体の振りをする雌雄同体となって想起する。雌雄同体の気配は、持ち主のいない種の気配(個を探す天使の気配)の症状である。
ヨハン(「Monster 」浦沢直樹)を探す外科医天馬が、試されているように死の淵からヨハンを蘇らせヨハンの二次的な父となって想起するのは、個の振りをする種であるが、犯人を探す王が実は犯人であるような極端に逸脱した個を探す種であるために、Monster を探す天馬こそはMonster であるミステリを想起し切れない憂愁が、惑星のように覆いかけるのである。
「Monster 」を覆う追跡の気配が、追い詰めていたはずなのにいつの間にか追い詰められ、極端に秘密なのに何か隠れないのは、この、何か疼く不成就の気配、何か疚しくのしかかる気配である。
しかも、このMonster の気配は雌雄同体の天使の気配なのである。というのも、この、個と種の間が解離しないで決壊した二重のMonster は、雌雄異体の双子の片割れを奇形嚢腫のように二重に孕んでいるからで、それが遠近法の効果からはヨハンの妹、ヨハンを射殺し射殺し直そうとする妹アンナに遠心分離して見えるのである。


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