碧空1059 跳躍と連続性の間3
1059 跳躍と連続性の間3
河の流れはどこからともなく連続性と感じられ、スサノヲと呼ばれる献身(あるいは跳躍)が祟る。川上から流れて来た箸を拾い上げることは、川上に誰かがいるはずだというだけでいきなりスサノヲが他の誰かとなって埋め合わせ始める。スサノヲは戦くだろうか、笑うだろうか。
スサノヲはいきなり冤罪に引き出されたように震え、怪しむ。この、河の流れのようにいきなり遠心分離して広がる現在はどこからともなく(逃げ場なく)雌雄異体の気配で、何か埋め合わせようとする如くなのである。個虫が部分の振りをして五百羅漢のように群体なす八岐大蛇は、そうした疚しさ・焦燥こそが秘密なクシナダ姫を脅かすように守護している、その、得体の知れない霊的衝動の質料化なのである。この怪物性は更には秘密な草薙の太刀となって光り出し、経過する。「秘密な」とは、クシナダ姫の見てはならない「壁に写る影」が八雲叢雲立つ八岐大蛇だというだけでなく、それはスサノヲの「壁に写る影」でもある、ということ(献身性)である。
この、催眠術にかかったような接近と経過は、始まったことの取り返しのつかなさ「が」埋め合わせる献身と、その取り返しのつかなさ「を」埋め合わせるための雌雄異体の気配との暗示にかかっている。八番目の生贄としてのクシナダ姫は全背景が末端の振りをする群体の気配を消して写真に写るだろうが、神話的雰囲気がヒドラじみて覆うとすれば、それは、群体や擬似脱皮の気配が消えない地点、写真に写らない(跳躍と連続性の間が決壊する)特異点に迫るのである。


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