Monday, August 21, 2017

碧空1074 木星の大気を占める巨大な嵐が何百年も存在しているような気配

1074 木星の大気を占める巨大な嵐が何百年も存在しているような気配  個と種の間や全体と部分の間が解離した自然、風景は、虚構の気配を消して実体に迫ろうとする種の夢の野心と、その遠近法であり、科学が頭を擡げるルネッサンス期に風景画が登場したことの間には連関がある。  この世のものの虚構の気配を消そうとする種の夢の野心は告白体にも顕れるがあえなく頓挫するように、症状の虚構の気配を暴こうとする精神分析の野心もその暴露に頓挫する。心底の告白が不随意の嘘や誤謬や思い込みではないとは証明できないように、他の誰かとなって話すだけでなく、個々の暴露そのものも何か症状ではないとは証明できないからである。怪談は人面瘡が制御できない仕方で浮かび上がって白状し始める症状であるし、ミステリは他の誰かとなって自白する恐喝であるが、それが正に恐喝となって真に迫るかどうかは単に説得の効果いかんにかかっている。  エネルギーと位置の測定と測定値の確率に限定する試みも単に1の虚構の気配を消せないことを婉曲になぞる。一方、過去の振りをしているのに現在の振りをしてしまっているというように擬似脱皮して、他の誰かとなって話す昔話は、木星の大気を占める巨大な(地球がすっぽり入るほども巨大な)嵐が何百年も存在しているような気配で、その時の厚みは現在の広がりなのである。

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