Sunday, November 19, 2017

碧空1134 MOON WALK52(物語の本能)

1134 MOON WALK52(物語の本能)  二足歩行は本能ではないかに見え、本能は一隅に偏倚して盲目のようでいて猛禽類の鳥瞰で、それは単に俯瞰するのではなく望遠レンズと広角レンズを同時に使って瞬間移動し、大気を寂漠にする。同時とは、時間の取り消しである。  物語の本能は、本能的とは見えない二足歩行の遠近法と、本能的と見える猛禽類の鳥瞰との間に振動している。  扇と小さな包みと大きな腹を抱えて歩く太陽のような女体が何か全てを知っているようであるのは、その運動が、物語の本能そのものだからである。  同じようにして、「冨嶽三十六景」は猛禽類の鳥瞰の二重の焦点が高みと世の片隅との視座に分割されて「八月の光」(W.Faulkner)の如く、何か全てを知っている、というふうだ。  物語の本能は、まるで何もかも知っているものに導かれる。その、二足歩行の遠近法は光景をズーム・アップする時制の遠心分離であるが、拡大と分離の限界に来ると突如として遠近法も時制も取り消されて光景は虚像に変わる。しかしそれは、タイム・スリップしたような衝撃で、ズーム・アップの「壁に写る影」は瞬間移動である。タイム・スリップする話は、この、物語の本能に潜む瞬間移動の気配が気になってならないのであるが、二足歩行でズーム・アップを刻むしかないのである。

0 Comments:

Post a Comment

<< Home