Wednesday, December 13, 2017

碧空1150 MOON WALK68(遍在する窃視の断面)

1150 MOON WALK68(遍在する窃視の断面)  「彼女は院長のもとへすぐに出かけていきはしなかった。その方向に歩きはじめたのだが、事務室へ曲るかわりに自分が階段の方へ向い、それを登っているのに気づいた・・・まるで、自分がどこへ行くかを自分で後からつけて確かめているといったふうだ・・・やはり静かな誰もいない廊下で、彼女はまた欠伸をした」(「八月の光」W.Faulkner)  あくびをしたのは、追い詰められていた緊張が弛緩したからではない。遠近法が解けた裂目に面して、擬態疲労から酸素を索めて水面へ浮かび上がろうとするのだとしても、顔があくびそのものになるほどに大きく口をあけて発作的に裂目を(と同時に)裂目が眠り込むのを模写するのである。それは、どのような裂目なのか。  「あまりに本当らしかったので、ずっと前から知っていた」というように分節された裂目、殆ど白い(しかし)いつまでも白にならない黒といった気配だけでなく、その白黒の対の間が真偽や善悪の対の間に屈折して間が解離しない気配、遍在する窃視が遠近法に包まれないで主語と目的語が解離しないために「自分がどこへ行くかを自分で後からつけて確かめている」といったふうに分節された裂目である。それは、「太古が瞑想するように見降ろす」というように分節されもする。この分節は、遍在する窃視の(履歴改竄も同然の魂の)断面の再発である。

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