碧空1171 MOON WALK89(不思議な黄昏2(嫉妬のように居合わせる))
1171 MOON WALK89(不思議な黄昏2(嫉妬のように居合わせる))
ふしぎな黄昏は、へりくだる個も冒される謙譲が(呼び声が)うっかりその正体を壁に写して「私」というものの本当の持ち主が誰だか分からなくなる深淵の、奇妙な(本当らしくない)混合種の発覚である。この、「私」というものが間違って盗まれているような謙譲の、本当らしくなさ、隠れなさに被曝した反直観が、罪の気配である。
HIGHTOWER の黄昏時の窓辺の、自ら自らの祖先になる夢想が世界の終わりの気配に被曝して、本当らしくない反直観の混合種が棲息する何処でもないユートピアを詠嘆するように、単に遠い指示なのではない「That Evening Sun」(W.Faulkner)は、コンプソン家の子供たちがまだ人生の暁暗にいて、また一日の日暮れ時でもないのにふしぎな黄昏が迫っている。そこでは、矛盾した神経の葛藤と耗弱が、溝に潜んでニグロの料理女を監視する亭主の凶悪な気配に変装して、ナンシー(料理女)の回避作戦は筒抜けであるし、亭主の企みもピアニッシモの効果でくっきり言葉になって聞こえてしまう。そんなふうに変装して迫る罪の気配を、反直観を、何処でもないユートピアを、子供たちの間にイツノ間ニカモウ一人増エテイル!というように、あるいは嫉妬のように居合わせているはずのクウェンテインが、単に目撃を分節するのではなく、詠嘆するのである。(MOON WALK88)


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