碧空1199 MOON WALK117(ヒトの姿をして猛威を振るう疫病、あるいは運)
1199 MOON WALK117(ヒトの姿をして猛威を振るう疫病、あるいは運)
混血は、黒白であれ赤白であれ、シャムの双子の如く、formとperformance の間(次元跳躍)が具体の次元に癒着したままに転写されているが、個虫が部分の振りをする如くではない。一方が余計なものとして(場所の如く)深々ととも極身近にともつかず潜伏して、霊的命令の如く知らぬ間に猛威を振るう。まるで正体である如くに浮上して来て(あるいは、鶴女房の如く壁に異形の影を写して)自ら自らを騙る。誰でもなくなるのである。
しかしそれは、誰でもなくなるほどに誰かであろうとする誰かが藻掻くPanic だということである。ヘンリー・バーリンゲーム三世の変装の妙、というより変装しないではいられない強迫症状は、そのようにして、疫病の如くヒトの姿をして猖獗するのである。
王位というものがまた混血で、この権力の在処は血か能力に分岐するとしても、血も能力も「壁に写る影」は疫病の如くヒトの姿をした運である。血と運も、能力と運も懸け離れて見えるが癒着していて、運が疚しさとなって(場所の如く)潜伏すると知らぬ間に猛威を振るうことになる。
ヘンリー・バーリンゲーム三世の混血は、こうして、二重である。この、妊娠のような二重性が、辺土に流された貴種というものの含蓄であることは、ヘンリー・バーリンゲーム三世に特殊の事情というのではない。オイディプスの彷徨はヘンリー・バーリンゲーム三世の変装に対応し、現在の広がりは雌雄異体の気配であるのに、自ら自らを追い越して、打ち消されて潜伏したものがヒトの姿をして薄気味悪く(あるいは、ふざけ切って)迫るのである。(MOON WALK116)


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