Sunday, March 04, 2018

碧空1204 MOON WALK122(OLD NICKの不思議な冒険)

1204 MOON WALK122(OLD NICKの不思議な冒険)  暴かれたがっているがいつまでも正体を現わせない呪詛を鎧うOLD NICKは、1=0.9 ・・・を一身に擬する。殆ど正体(しかし)いつまでも正体にならない。ヘンリー・バーリンゲーム三世が流された貴種として姿を現わしても、それを代表するのは一寸法師のようなペニスであるから、OLD NICKがそこに潜んでしまう。  しかしそれは、雁に乗ったニルスのようなものであり、翼の生えた一寸法師であり、自ら自らを追い越すEROSである。  こうして、エベニーザー・クックの童貞懐胎は、騎乗観音(龍に乗る観音)や清水の舞台から傘を開いて飛び降りる生娘(鈴木春信)や水面を突き破って上昇する巨大な鯉に跨がる犬塚志乃のようなもので、群がる尼僧のただ中に迷い込んでアンナ!と叫ぶと周りの尼僧がみんなアンナ!になってエコーしてしまうというふうだ。  個と種の間が決壊した実体の揮発であるOLD NICKは無の原理であるが、自らOLD NICKに遭遇して客観に転写する誘惑の原理でもある。「審判」や「失踪(アメリカ)」(F.Kafka )は、とっくにOLD NICKに出くわしているのにこれから遭遇するのだ、とでもいうような焦燥と憂愁がKやもう一人のKを覆いかけている。

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