碧空1233 MOON WALK151(ゴシックの遺跡、ミステリの遺跡)
1233 MOON WALK151(ゴシックの遺跡、ミステリの遺跡)
ゴシックかミステリかの岐路は、何も変わっていないのに取り替えられてしまっている主体(種の夢)が物(object)と場所(subject )に二重に潜伏して、物と場所が(あるいは個と種が)隠喩的関係か、それとも、この、最終状態を前触れる(代表する)関係が客体に転写されてしるしと物が(あるいは部分と全体が)提喩的関係か、の差異である。ゴシックはこの隠喩的関係(媒体性)を遡上し、ミステリはこの提喩的関係(媒体性)を遡及するのである。
ゴシックの遺跡が前触れる気配が「いつの間にかもう一人増えている!」や「何も身に覚えがないのに追われている!」隠れなさであるとすれば、ミステリの遺跡が前触れる気配は世界の始まりの暴かれなさである。痕跡が全体を前触れると同時に全体が痕跡を現し出すように客体が出現するが、全体は予定調和的で、痕跡の最終状態がいつまでも全体にならないために、遡及の語り主の推理は世界の始まりを告白したり、伝聞することの如何わしさのままなのである。


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