Wednesday, April 18, 2018

碧空1234 MOON WALK152(影がおどむ、青いガーネット)

1234 MOON WALK152(影がおどむ、青いガーネット)  鵞鳥のえぶくろから出て来た青いガーネットが前触れる全体との関係となって、出現する客体は、青いガーネットが世界の始まりの痕跡だということである。青いガーネットはえぶくろに身を潜めるようにして世界の始まりに先立つ。この、部分と全体の間の決壊は実体の揮発で、放射される青いガーネットの忽光は青いガーネットのきらめきとは違う。Sherlock Holmes の演繹は、本当の語り主の遡及と仮装ではない。部分と全体の間が解離して、その仮装は青いガーネットを事実としてしか扱わないからである。  青いガーネットを盗んだ犯人が隠し場所とした鵞鳥が瓜二つの鵞鳥に分裂したために青いガーネットは人の手から人の手へ渡って行方知れずになるが、身を潜める世界の始まりが犯人を前触れる。というのも、ゴシックの関心と暗示は世界の終わりの隠れなさ、それは物音になってでも出そうな霊を探すが、ミステリの関心と暗示は世界の始まりの暴かれなさ、それは草になってでも生え出そうな罪を探すからである。盗んだ青いガーネットが盗まれる、その二次的犯人は瓜二つの鵞鳥で、それを告白するのはのぞき穴を盗まれて客観に転写された一次的犯人であるが、のぞき穴は盗まれていないかのように二次的犯人は一次的犯人が鎧う鏡像である。  この鏡像は、のぞき穴が(盗まれていないかのように)盗まれる効果なのである。つまり、一次的犯人と二次的犯人の関係には、犯人とSherlock Holmes の関係が(実体の如く)身を潜めている。犯人が鏡をのぞき込むとSherlock Holmes に変装しているのである。 一体、人の手から人の手へ渡って行方知れずになる、あるいは置き換え難く影がおどむ壷や青いガーネット、菊一文字やモナリザというものは、暴かれない罪の如く世界の始まりに(先立つようにして、実体の如く)身を潜めるものの気の痕跡である。

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