碧空1261 MOON WALK179(一卵性の二つの症状)
1261 MOON WALK179(一卵性の二つの症状)
「それはアンスル・ボルンという30歳の巡回牧師で、ある日(1887年1月17日)彼は銀行から551ドルの預金をおろし、突然グリーンから失踪、2ヶ月の間行方不明であった。この間彼はA.J.Brownと名乗ってペンシルベニアのノーリスタウンで小さな雑貨店を切りまわし、仕入れ万端を立派にやっていた。しかもこうした仕事はそれまでに一度もやったことがなかった。1887年3月14日、彼は突然覚醒して家に戻ったが、その間のことは完全に忘れていた」
こうした夢遊的失踪(fugue )の技術は、器官の更なる延長で、寿命二月弱のクローンや部分の振りをする個虫が出現したというふうだが、巡回牧師アンスル・ボルンも雑貨商A.J.Brown も同じ葛藤が出現すると同時に潜伏する一卵性の症状、二つの解であって、この症状の転移、変形は客観に転写される効果である。つまり、単なる隠喩で、後れて来る主体は個を超え出ないままにとり返しのつかなさを埋め合わせようとするかに見える。何か復讐的ではあるが、波が寄せては返すように一卵性の二つの症状なのである。
そして、ゴシックとミステリも、波が寄せては返すように一卵性の二つの症状なのである。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home