Saturday, June 02, 2018

碧空1264 MOON WALK182(後れて来る主体の習性)

1264 MOON WALK182(後れて来る主体の習性)  身代わるための、のぞき穴の潜伏(後れて来る主体)が客観に転写されることを躱して底知れぬように、究極の告白も不断に主体が後れて来る。餌食になったかに見えて実は長靴を穿いた猫に入れ替わってしまっている献身を魔法使いは告白できないし、殺したかに見えて実は弟子となって潜伏する鷓鴣の気配(後れて来る主体の気配)が誰であるかをDaidalosは白状できない。  告白とは、思いがけないアイデアである。他の誰かとなって想起する献身が客観に転写された、半ば自らをあざむく(何か疾しい)献身のトリックなのである。双子のトリックの解明は、どんなに卓越して見える推理であっても如何わしく告白と共謀していて、その内容ではなく、その思いがけないアイデアそのものが致命的に疾しい(何か届かない)。  結局、双子のトリックの解明は究極の伝達を客観に転写することの頓挫(何か届かない!)であるが、波が寄せては返すように繰り返し転写しようとしないではいられないし、それは、物語ることを駆り立てる力が生贄であることに向かわないではいられなく、取り返しのつかなさを埋め合わせるために隠喩を繰り出さないではいられない、そうした反復強迫である。

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