碧空1269 MOON WALK187(振動の隠喩としての強硬症)
1269 MOON WALK187(振動の隠喩としての強硬症)
復活のスリルはいきなり「私」になる失踪で、剥き出しになった魂は奇妙にも想起と記憶喪失を孕んでいるためにのぞき穴なのであるが、タイム・スリップするスリルの失踪は大気が幽霊性であるためにのぞき穴なのであって、その届かなさは、いきなり「私」になる疾しさや、見初めるのにそうではない疾しさとは何かまるで違う。
後れて来る主体の三分岐や種の夢の四分岐が解離して客観に転写して物語る目が、屋敷中の部屋という部屋の照明を灯して回らずにはいられないように目一杯に器官を延長して遍在する窃視であるのは、常陸坊海尊が長寿の振りをする後発催眠暗示にかかっているようなものであるが、その漠とした極端に(他の誰かになるまでに)私的な長寿の気配は、復活のスリルとタイム・スリップするスリルとの間に振動している。まるでこの振動の隠喩であるかのように強硬症は、世界が終わっている危険を冒すようにも、タイム・スリップして断崖から身を躍らせる危険を冒すようにも見える。


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