Tuesday, June 12, 2018

碧空1271 MOON WALK189(昏睡するイリアドの失踪)

1271 MOON WALK189(昏睡するイリアドの失踪)  二人の捕虜の交換を成就することが同時に二組のつがい形成を成就することになる。どのようにして。すなわち、二重の双子のトリックを通してであるが、それは、慈悲が陰謀(解明されるはずのミステリ)に変装、零落しているのである。(「The Dead Man's Ransom」E.Peters)  捕虜イリス・アプ・キーナンと重傷の捕虜州執行長官ギルバート・プレストコートの娘メリセントが呼び合うように、イリスと双子のようにして育ったイリアド・アプ・グリフィスとイリスの許嫁クリスチナが呼び合う。イリスとメリセントがつがい形成できるように(しかしそれと知らず)イリスの器官は延長してイリアドとなってつがい形成の障害であるギルバートを殺害するが、動機からも状況からもイリスに容疑がかかる。イリスがイリアドになるまで器官を延長することはそれと知らずではあるが、冤罪だとも叫び難い。イリアドは、イリスとメリセントのつがい形成がイリアドとクリスチナとのつがい形成の障害を除くとはいえ催眠術にかかったように手を掛けたのである。  犯人がイリスだと思い込んだメリセントは尼僧になろうとし、メリセントの滞在する修道院が危機に曝されていることを知ったイリスは重罪犯として逃亡、メリセントを守ろうとする。イリアドは冤罪を着せられたままのイリスの身代わりとなって後を追い、イリスの盾となって重傷を負う。さらには、容疑の晴れたイリスと入れ替わって(しかしそれと知らず)重罪犯イリアドは昏睡のままに捕虜交換の成就のために失踪する。  この、拉致も同然の(自由ではない)失踪は慈悲なのであるが、媒体性が客観に転写されて、他の誰かになるまで器官を延長して身代わりとなるように変装した陰謀に零落しているのである。

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