Monday, June 18, 2018

碧空1275 MOON WALK193(罪の起原、強迫の源泉)

1275 MOON WALK193(罪の起原、強迫の源泉)  シュルーズベリには、何かとり返しのつかなさが通奏低音のように(しかし微弱ながらクレッシェンドで)進行していて何か埋め合わせずにはいられない水圧が徐々に高まって(しかしそれでも不意に)鐘が鳴り出しかねない。犯人を探し、裁かずにはいられない強迫は、甲羅を経ている。  姦通や人殺しは、つがい形成や憑依(乗っ取り)といった、慣れ親しんだ身体が別の身体になるような献身の隠喩であるが、他の誰かになるまで器官を延長して(ふっと空をつかむように)乗っ取られるのである。  受胎告知は、つがい形成の献身が姦通も同然に乗っ取られ、日常の身体が拉致も同然に失踪して自由ではないことの案内(抽象)であり、懐胎の場所(種の夢)の抽象度が現実性から可能性になる変形である。この変形は身体の場所の抽象度の勾配に見えるが、程度の変化というより現実性と可能性との間が決壊するのである。牡牛に身を変えたユピテルがエウロペを拉致する、暗い宇宙の片隅で女王Alien が代理母も同然のリプリーの胎内に寄生する、という具合に抽象度の三段階であるかに見えるが、現実性と可能性との間の決壊の三つの案内である。それは、paramorph ともparaphraseともつかない。  身体の場所が身体の現実性となって守護するように潜伏する後れて来る主体の、この世に棲む情熱は、この現実性が可能性に解消して区別がおかされると忽然として光り出す。この、現実性と可能性が遠方と夜のように出会って区別がおかされる極が、罪の起原である。つまり、犯人を探さずにはいられないように神を探さずにはいられない強迫の源泉である。

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