碧空1276 MOON WALK194(解明されたがる変装)
1276 MOON WALK194(解明されたがる変装)
慈悲は零落して双子のトリック(ミステリ)になる。犯人を探さずにはいられないのはとり返しのつかなさを何か埋め合わせずにはいられないからであるが、慈悲を探すのはとり返しのつかなさが埋め合わせる「ために」である。
私が行く「ために」野火が上がるように([野火]大岡昇平)、この「ために」は、目的と原因が解離していない。それは、拉致も同然に失踪して自由ではないことの案内であり、野火が後れて来る私を代表するのか後れて来る私が野火を代表するのか、この失踪、運命あるいはmetamorphosis の案内はいつでもヘロドトスの観光案内じみた「歴史」(私的価値を罰する一般化の気配)に変装する。同じようにして、壁の向こうの空間(あるいは時間)は一体何ノ「タメニ」アルノダロウ!というKarl(「アメリカ」F.Kafka )の失踪は、問(可能性)と解(現実性)の間が決壊していて、この、慈悲あるいはmetamorphosis の案内は「アメリカ」(後れて来る私を脅かす追跡、あるいはいざないの気配)に変装する。
問と解が解離しない失踪、慈悲あるいはmetamorphosis は、双子のトリックに零落、ミステリや精神分析や弁証法に変装して解明されたがるのである。


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