碧空1288 MOON WALK206(擬似奇蹟、コロンバヌスの失踪)
1288 MOON WALK206(擬似奇蹟、コロンバヌスの失踪)
恵まれないものが奇蹟を念願し、責めて誰かに降りかかる奇蹟に居合わせることを期待し、あるいは恵みの不足どころか癩病に罹っている呪いと無念そのものを恵みとするアイデアに倒錯する、どれも(嫉妬からの)やり直しの要請である。
こうしてシュルーズベリの大修道院は、責めて巡礼地としての世俗の評判を上げるためにも奇蹟を期待できそうな聖ウィニフレッドの遺骨の招致と移葬を画策する。(「A Morbid Taste for Bones」E.Peters)
しかし奇蹟とは他の誰かになるまで器官を延長することであるし、慈悲が道具を探し出すことであるから、恍惚発作を起こしがちな修道士コロンバヌスの降って湧いたような死体を思いがけなくも聖遺骨の身代わりにして聖ウィニフレッドの遺骨がウェールズからシュルーズベリへ移住することは、そのアイデアも具体化作用も奇蹟なのである。
コロンバヌスの遺骸を尋ね、見つかるとそれは消え失せる。奇蹟が双子のトリックとして顕現したのである。


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