碧空1295 MOON WALK213(光る幽霊)
1295 MOON WALK213(光る幽霊)
図らずもHaluinの告解は、鏡と鏡像が解離しない運命の中間性の覚醒へ、後ろに残るはずの足跡が前方に残ることの思いがけない覚醒へ導かれる。(「The Confession of Brother Haluin」E.Peters)
娘ヘリセンデは母バートレイドを映し出す鏡であると同時に鏡像であるが、光を背にした黒い輪郭が階段を降りて来る途中で、忽如光が当たって、それまでの影の身のこなしとは懸け離れた初々しい乙女の顔が浮かび上がり、それは修道士ハルインにも修道士カドフェルにも、会っているはずはないのに何か知っている(まるで、幽霊を見つけたのに幽霊は「私」を探しているようではない)というようで、この「光る幽霊」に面して、惚恍発作からハルインは失神し、カドフェルはもの懐かしさに襲われるが、その忽光が客観に転写されて後れて来る主体が、双子のトリックを解明することになる。
つまり、カドフェルにあらわれたヘリセンデの顔に宿る面影は、想いも懸けないハルインのもので、引き裂かれたように癒着するシャムの双子が、ハルインとカドフェルを通して分割され、ハルインが実はヘリセンデの父であることが分かるのである。


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