碧空1296 MOON WALK214(VENUSの悲鳴となって岐れる)
1296 MOON WALK214(VENUS の悲鳴となって岐れる)
ロースラン・ヴィヴァーズとヘリセンデの関係は、若き日のハルインとバートレイドの関係を持ち越し、やり直している。しかも、ハルインとバートレイドの婚姻が阻まれたのは、バートレイドの母アデレーズが「抗しがたい魅力を胸に味わう喜び」をバートレイドと共にするからであり、ロースランとヘリセンデの婚姻を阻むものはロースランがヘリセンデの甥に当たるように、ロースランの父センレッドとヘリセンデが異母兄妹になるようにアデレーズが工作していたからである。
アデレーズは、バートレイドにかかるゴースト(VENUS )が地上に転写された分身であるから、バートレイドに乗り移る。そもそもバートレイドは、「私」が幽霊を見つけたのに幽霊は「私」を探しているようではない不可触のふしぎな嫉妬から「抗しがたい魅力を味わう喜び」をアデレーズと共にしてやり直すのであって、姦通がアデレーズに顕れたために度忘れ状態であるが、引き裂かれるように癒着したシャムの双子が客観に転写されて母と娘に悲鳴となって岐れているのである。VENUS の悲鳴である。(MOON WALK213)


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