Monday, August 20, 2018

碧空1316 MOON WALK234(霧の如く囁く場所)

1316 MOON WALK234(霧の如く囁く場所)  問は解の痕跡(隠喩として解を客観に転写する抽象)、解は問の痕跡(隠喩として問を客観に転写する具体)である。問は解を代表する抽象的痕跡、解は問を代表する具体的痕跡であるから、痕跡の痕跡、しるしのしるしとなって問と解が反転しても、抽象的、具体的の区別はおかされない。  崖上のベネディクト派修道院の異形の塔に潜む厖大な古文書の独占は、古文書で膨れ上がった塔を藤生の植物が覆うようにゴーストがかかっている死蔵であり、守護する場所の怪物性である鏡の鏡は、いつまでも姿を現わさない犯人のように鏡と鏡像が反転して暴かれない(思わず胸一杯に空気を吸い込むような)「大きな不安の塊」、あるいは後れて来る恐れの(いつまでも真理の実現が後れる、霧の如き)「囁きの場」である。  アフリカの最終状態である暗黒が蔓植物のように覆う、その、打ち寄せる海のような無関心の覚醒が極端に私的に囁きかけて来て、胸が潰れるのである。(「薔薇の名前」Umberto Eco)

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