Sunday, August 26, 2018

碧空1320 MOON WALK238(零落の改竄)

1320 MOON WALK238(零落の改竄)  テッラルバのメダルド子爵はトルコとの戦争で身体を真っ二つに引き裂かれて、諸般の事情から半身が別々に帰郷する。先に帰還した半身は、呆気にとられるような無慈悲と残虐の限りを尽くして土地のものから悪の化身振りを恐れられるが、失われた肢がなおも痛みや痒みを感じるという幻肢のように、ない半身が疲れるなどということがあって、人知れずあやしむ。それは、後れて辛苦の途上にあるもう一つの半身の帰還を予知する如くにして、葛藤が単純に分割されたのではなく、引き裂かれたように癒着しているのである。(「まっぷたつの子爵」Italo Calvino)  問を映し出す解を(同時に)場所となって潜伏して映し出す問、その、鏡であることから鏡像であることに反転する解がこの世のものとして占める場所が後れて来る主体であるから、問と解が解離しない媒体性が、鏡であることから鏡像であることに反転する解と、鏡像であることから鏡であることに反転する問とに引き裂かれるように癒着する、その、問と解が解離する零落が他の葛藤の解離に改竄されているのである。  異端審問と異端の間も、聴罪と告解の間も、こうした改竄の一つの例解で、メダルド子爵の半身が活躍するplotは、シャムの双子の分身じみてはいるが、メダルド子爵を双子にする趣向は回避しているのである。

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