碧空1335 MOON WALK253(後れて来る主体、後れて来る物質)
1335 MOON WALK253(後れて来る主体、後れて来る物質)
後れて来る主体が俄かに客観に転写して後れて来る物質の唐突な現実が、傍視である。後れて来る物質は現実であってもエラーであることに無自覚になる。
大鰐の一族をあざむいて海を渡るための器官の延長にしようとした、あの因幡の素兎が、怒った大鰐に赤裸にされて嘆き、苦悶しているところへオオクニヌシが通りかかって話しかける。その、打ち寄せる海辺のおしゃべりは、まるでアニメの吹き替えのようで(打ち寄せるしき波の音が吹き替えられているようで)他の源泉から聞こえて来る。
オオクニヌシが漠として予期していた赤裸の素兎は、傍視の反転効果によってエラーであることに無自覚である。この奇妙さが唐突なのである。オオクニヌシの、その二重のエラーは、暴らさまにするためにおかすのである。
元素が周期律表を占めるように、赤裸の素兎は元素の如くオオクニヌシの顔の上だ。


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