Monday, October 01, 2018

碧空1344 MOON WALK262(鎮座する馬蹄形)

1344 MOON WALK262(鎮座する馬蹄形)  鶴見俊輔の記述の片隅に、誰もいない昼間に、風呂場に馬蹄形にかかったホースをなんども見に戻らずにはいられない、その奇妙な沈黙(あるいはノイズ)が鎮座するようにしてある。あるいはスリルだろうか。  F.Kafka によれば、弁護士の息子のハンスは屋根裏部屋に分け入って、その奥地にもう一人のハンスを見つけるが、この、もう一人のハンスも抽象すると馬蹄形なのだろうか。  何度も引き返して覗いて見ずにはいられない「それはアンスル・ボルンという30歳の巡回牧師で、ある日(1887年1月17日)彼は銀行から551ドルの預金をおろし、突然グリーンから失踪、2ヶ月の間行方不明であった。この間彼はA.J.Brownと名乗ってペンシルベニアのノーリスタウンで小さな雑貨店を切りまわし、仕入れ万端を立派にやっていた。しかもこうした仕事はそれまでに一度もやったことがなかった。1887年3月14日、彼は突然覚醒して家に戻ったが、その間のことは完全に忘れていた」  「ところでこの世界のすべての運動の中で最も規則的で最も自然で最も宇宙の秩序に合致している海のゆれ動きを、ド・ランクルは有毒だと考えた。その運動は、人間の心に危険な誘惑、起こりそうもなく何時も満たされない夢想を示し、邪悪な無限の形像そのものだった」 といった記述も、そのノイズやスリルは馬蹄形なのだろうか。

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