碧空1362 MOON WALK280(後れて来る探査機の影が写る)
1362 MOON WALK280(後れて来る探査機の影が写る)
長靴を穿いた猫のあざとい策略を忽ちにして覚った魔法使いは、魔法使いと長靴を穿いた猫の関係を鼠と長靴を穿いた猫の関係に平行に移すのではなく、交叉して移す。つまり、魔法使いは鼠に化けてみせたのではなく長靴を穿いた猫に化け、長靴を穿いた猫が鼠に姿を変えられて捕食されることになるのである。
このスロー・モーション再現に於いて、姿を晦ましたのは魔法使いに見えるが、ズーム・アップした長靴を穿いた猫にかかるゴーストは場所となって潜伏した魔法使いの、その、後れて来る主体が写る影である。それは、小惑星に大接近した探査機の影が小惑星の表面に写るようなもので、この探査機はすでにして後れて来る主体なのである。
同じようにして、那智の滝にかかるゴーストは換喩的に熊野となって潜伏した花山法皇の、その、後れて来る主体が写る影であるが、さらに隠喩的に熊野となって潜伏した(中宮定子の、換喩的に清少納言の)その、後れて来る探査機の影が写るのである。


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