碧空1378 MOON WALK296(種の追求の余り息衝き、逆せ上がる)
1378 MOON WALK296(種の追求の余り息衝き、逆せ上がる)
ロシアン・ルーレットは、「本物の男」かどうか試す遊びとされるが、しかしこの執行にかかる暗示、後れて来る意志は、個の追求に見えて、種の追求である。
しかも「本物の男」は、マンガチェリーアに蜃気楼の如く出現した「緑の家」(M.V.Llosa )が縁生するために打ち消されて疾しさや焦燥となって潜伏する、疲れを知らない「本物の男」の、「緑の家」にのしかかる蜃気楼のような種の暗示であって、ロシアン・ルーレットを試す男は、種の追求の余り息衝き、逆せ上がってしまうのである。
蛆も同然の「隣り合う断絶」が、「緑の家」の場面や声を繰り出す語りっ振りも、ロシアン・ルーレットの規定に忠実に、種の追求の余り、一目惚れのように(種の追求の余り個に出てしまうように)息衝き、逆せ上がる。
つまり、逆せ上がるのは、種と種の「隣り合う断絶」と個と種の間の断絶とがすり替わるかの如く、種が個の振りをすることになるのである。ロシアン・ルーレットの激越な興奮に面して、蛆が一気に肥大してとっくに種であるのに過冷却状態で足を掻く、といったふうだ。とっくに世界が終わっているのに過冷却状態であるために、この興奮は足を掻くことにもなるが、この、息衝く矛盾した現在の極まれば不動、硬直に見える発作は転移なのか模写なのか区別し難い。


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