Wednesday, December 05, 2018

碧空1387 MOON WALK305(記念碑的伝達の魅惑)

1387 MOON WALK305(記念碑的伝達の魅惑)  神話的伝達(貫通あるいは盗ま「れ」た記憶)と尚古的伝達との間の断絶、激変を媒介するようにペロッと舌を出す記念碑的伝達は、尚古的伝達の媒質(遠近法)に浸かると奇行に見える。例えば、大伽藍の建立のようなフーガの技法も万巻の大蔵経を以てして今もなお届かない仏法伝来も、そうした奇行でなくして何だろうか。  「楽園への道」(M.V.Llosa )で画家を演ずるコケが、半陰陽の(解離しない)光に面して、その、見てはならない盗ま「れ」た記憶(解離した半陰陽)との間を媒介するようにして、まるで大いなる干拓事業を推し進めるとでもいうように勃然と絵の具を画布にぶつけて半陰陽の気配を浮かび上がらせようとするのも記念碑的伝達としての奇行である。  救い主になりたいと念じて世界を変える扇動者を演ずるコケの祖母がパラスの戦闘性を鎧ってフランスの諸都市に出没するのも、媒体性が暴らさまな半陰陽の光を、見てはならない半陰陽の光景にして記念碑的に伝達しようと足を掻く奇行なのである。というのも、解離した半陰陽の光景は雌雄異体の気配であるから、見てはならない半陰陽の光は甲冑を鎧ったパラスのように奇妙に屈折してしまうのである。それはこんなふうだ「ラバジェ氏は、フローラの傍に誰か別な人間がいるのではないかというふうに当惑しながら、しばらくの間じっとフローラを見つめていた」。ラバジェ氏は、フローラが鶴女房のように「別な存在」の影を壁に写しているのに当惑しているのである。  この「別な存在」の影、奇妙な屈折は、J.J.Rousseauに肉薄する追跡や陰謀の気配のようにフローラをリンチにかけようと押し迫る群衆に変装して、フローラは魘されることにもなる。

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