碧空1397 MOON WALK315(懐疑の魂の、壁に写る影)
1397 MOON WALK315(懐疑の魂の、壁に写る影)
もどかずにはいられない懐疑の精神というものは奇妙な矛盾である。
サンチァーゴが「ラ・カテドラル」(M.V.Llosa )で、まるで大伽藍を建立するかのように空白を埋め立て、組み直し、混沌として尋ねあぐねているものは、魂を売った(輪郭喪失の)瞬間や場面や言葉である。
この、魂を売る、ということは、誤る危険を冒すのが恐い、ということで、誤る危険を冒す魂というものの実験的奇行を手放すのであるが、「ラ・カテドラル」はまるで魂を売った瞬間を延々と尋ねる奇行の魂だけはとっておいたというようなのだ。
長靴を穿いた猫は、あんなことがあった後では、その、壁に写る影が魔法使いであるといった自食の気配を脱け出せないで、懐疑に音もなく冒されているはずだ。自食の気配が消せない輪郭喪失は、魂を売った(輪郭喪失の)懐疑の症状とは何か違う。というより、何かまるで違うが何か反復の気配がする。というのも、懐疑の魂の奇妙な矛盾の、壁に写る影は、自食の気配を消しても脱け出したことにならない魂の奇妙な矛盾あるいは両立だからである。


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