碧空1401 MOON WALK319(自食の、その隠喩性の暗喩)
1401 MOON WALK319(自食の、その隠喩性の暗喩)
浮浪の人々は適切な場所を保持できない。若いジプシー風の官能的な女の柔らかそうな寝床は祭壇の前であるし、隣村からやっと居場所に帰ってきたはずなのに村境の橋のたもとで不意に見えたのは異様に低いテントでしかも隙間ひとつないほど塞がれている。「ある新月の晩、ぼくは隣村を出て」で始まる断章(F.Kafka )は「ひとりの若いジプシー風の女が、祭壇のまえで」で始まる段落に唐突に場面が転換する。見てはならないという反語的禁止があるかのように転換する場面を、覗き見てしまうのである。
入口の見つからない坐っていることもままならない異様に低いテントも、ドアを開けると鼻の先が岩壁で塞がっていたり王侯の間であったりして異様であることも、例解のうちであるが、見てはならないという反語的禁止があるかのように場面が転換するのは、現在の広がりが塞がれていることが浮浪することであるような擬似半陰陽の独身者が(超個体的な蛙が)、その、壁に写る影を(超越個体的な蛇)を覗き見てしまうのである。つまり、自食の記憶が、物語る(窃視と被窃視の二重の焦点)といった別の次元に転生したのではなく、その隠喩性の暗喩である。


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