Saturday, January 19, 2019

碧空1417 MOON WALK335(リゴベルト症、リゴベルト症の蕾)

1417 MOON WALK335(リゴベルト症、リゴベルト症の蕾)  リゴベルト症というようなmania があるとして、それは、他の誰かとなって想起する献身を、別の次元に展開して反復する転生癖である。それは、遠近法のなかで、擬似半陰陽リゴベルトの器官の延長に見える。(「ドン・リゴベルトの手帳」M.V.Llosa)  リゴベルトは妻ルクレシアの白い体と白いエプロンを装着した娘フスチニアーナの褐色の体が絡み合う図が現実になるために場所となって潜伏して、その情景を映し出すような窃視である。あるいは、ルクレシアと曾てルクレシアに求婚したが願いを果たせずしてUSA に移住していたモデスト・プルートの、一週間の豪奢を極めたヨーロッパ旅行の最後の日にルクレシアが終にプルートに女体をひらく情景となって自らを主張する、後れて来る主体の、その顔の上に展開する情景に吐息がかかるような窃視である。  つまり、そうした密通の情景の「壁に写る影」は、見てはならない(見たことにならない)リゴベルトなのである。ルクレシアとフスチニアーナを素材にして、エゴン・シーレの絵画の、二人の少女の交差の、その交わる二次元の情景を三次元に転写して質料化しようとするリゴベルトの息子フォンチートのたくらみも、他の誰かとなって想起する献身が、密通の情景となって転生する受肉のための前戯、リゴベルト症の蕾なのである。  ところで、失踪と死後の情景が現実になるために場所となって潜伏したWakefield(N.Hawthorne)の窃視は、他の誰かとなって想起する献身を別の次元に転生させ損ねているかに見えて、そうではなく、その不在の情景は密通の情景がくすぶっているか、変装なのではないだろうか。というのも、何モ変ワッテイナイノニ取リ替エラレテシマッテイル!狐臭が、密通の情景だからである。

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