Tuesday, January 22, 2019

碧空1419 MOON WALK337(無自覚に知っている逆窃視の魅惑)

1419 MOON WALK337(無自覚に知っている逆窃視の魅惑)  他の誰かとなって想起する献身(の mysterium)は、「ドン・リゴベルトの手帳」(M.V.Llosa )の夢想する、双子の入れ替わりの図(のトリック)にも転生する。  ナルキッソス的なものの、その被魅惑とは、それが自分を代表するとは知らず(あるいは、無自覚に知っていて)魅(ばか)されることである。リゴベルトの「壁に写る影」は受肉して、双子の片割れの如くルクレシアの狐臭とまぐわう(見てはならない)密通の情景は、のぞき穴の向こうで、双子の片割れのリゴベルトと入れ替わったナルキッソスとルクレシアのまぐわう姦通の情景に転生していて、しかしリゴベルトとリゴベルトに寄り添って誘導する巫女イルセが覗き込む、その、のぞき穴は盗まれていて、媒ノ物ヲ云フハ狐ノ人ヲ魅(バカ)ス如キ「いがたうめ」の気配を無自覚に知っているのである。  敷浪寄せる海の魅惑のように、のぞき穴を嫉妬が息通るとすれば、それは、この逆窃視の魅惑の反作用のような効果である。そのようにして、Wakefield(N.Hawthorne)の覗き込む長い不在の情景は、場所となって震えるmetamorphosis を解けない輪郭喪失と自由剥奪と憤る嫉妬の(伝達したことにならない)転生なのである。

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