碧空1420 MOON WALK338(もう一つの症状の贈り物)
1420 MOON WALK338(もう一つの症状の贈り物)
のぞき穴を覗き込むと、敷浪が打ち寄せている。他の誰かとなって想起する献身を伝達しようとして媒体性がこのように転生してしまうことは、秘密を分け合おうとして毒を盛ることや、矛盾した命令の不随意の表現としての症状が解釈されて解消するかに見えて別の解としてのもう一つの症状が贈り込まれてしまう如く(伝達が解明ということであるのならば)伝達したことにはならない。
「思想は不易にして、表現は季節の贈り物」とは、問「の」解は素材を間に合わせた次元跳躍ということであるが、この「の」の主格、対格、所有格、同格、喩格の区別がおかされると、解は問の如くして、問の転生である。表現であるはずの症状は打ち消されて、もう一つの症状となって解けてしまう。解であるはずの症状が問のように振る舞うのである。
リゴベルトの手帳は、こうした贈り物のカタログ、もう一つの症状の展翅なのである。その、この世ならぬものの忽然とした出現を窃視するのは「私」であるが、それは「私」を探しているようではなく、打ち寄せる敷浪は嫉妬が憤る如く魅(ばか)すのである。


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