碧空1437 MOON WALK355(他の次元からの零落となって想起するスリル)
1437 MOON WALK355(他の次元からの零落となって想起するスリル)
「紅楼夢」の場合、天界にあって主人が植物に丁寧に水をやる関係は、ナルキッソスが水に映る誰かに繰り返し呼びかけるようなもので、今にも双子となって分身しそうなスリルに震えている。地上に零落することは、分身して、分身ではないかのように解離することである。しかも、それは、雌雄異体の広がりであるかに見えて、擬似半陰陽の空ろな広がりなのである。
この神話的領土からの零落は、むかしむかしの領土からの零落に転生するが、この転生は、まるで荒唐無稽な話はどうにも思いつくものではないということである。罠に掛かった鶴を救い出すことを発端にする鶴女房の話の結末は、擬似半陰陽の空ろな広がりであり、今にも双子となって分身しそうなスリルに震えるように、壁に異類の影が写るのである。
さらには、壁に異類の影が写るのをつきとめることが、分身して分身ではないかのように解離する謎の解明、ミステリの領土からの零落である。それは、オイディプスの場合、神話的領土からの零落と重なることになる。
こうした転生は、珊瑚虫全体が(種が個の振りをするように)個虫の振りをする再発の、遠い谺、他の次元からの零落となって想起する次元跳躍(献身)が、物語の領域で反復するのである。従って、コレハ他ノ物語ナノデハナイカ!というような激情やスリルや暗喩を、物語は躱せない。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home