Thursday, February 21, 2019

碧空1439 MOON WALK357(スリラー)

1439 MOON WALK357(スリラー)  背後から次第に肥大して迫る執拗な跫音が終に姿を現わす、その、思イガケナイ景色ニ和蘭陀ニ流サレル、それが究極の物語の転生、スリラーであるが、それはジャンルとしてのスリラーではなく、解の振りをする物語が問のように振る舞って転生しようとする、コレハ他ノ物語ナノデハナイカ!というような暗喩の激情である。  この、物語の転生は、畳ニ零レタ針ハ地獄ノ山ノ草トナッテ生エル、あるいは、行方知レズニナッタ蜥蜴ノ尻尾ハ茶釜ニ入ッテ祟ル、というように瞬間移動する。(泉鏡花)  泉鏡花の領土を覆う、極端に私的な、この世ならぬものの忽然とした出現(apparition-like suddenness)は、こうした瞬間移動のスリルであるが、思イガケナイ景色ニ和蘭陀ニ流サレないように世界の終わりは遠避けられ、思いがけない景色は潜伏するのである。

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