碧空1478 MOON WALK396(炎上する最後の一羽)
1478 MOON WALK396(炎上する最後の一羽)
林養賢が金閣炎上の秘密をどう供述、告白しようとも、誰かと秘密を分け合おうとする限り、それは毒を盛るのである。つまり、世界の終わりのように誰にも知られないように照らし出されるのである。
丑待ちの鏡をのぞき込むように金閣寺をのぞき込むことは、魂が(あるいは業が)異性になるまでに、あるいは別の種になるまでに、あるいは種(や祖)になるまでに小さく小さく(まるで、ズーム・アップするように)縮んで映し出されることである。こうした擬似半陰陽の養賢が暗喩としても現実としても「ロボット」と区別がつかなくなるのは、受身、自発、尊敬、可能の区別がおかされているのであるが、自由、孤独が極まっておどろく、その対極は、やらされる感じやグルになって(あるいは催眠術にかかったように)迫る追跡や陰謀、擯斥の気配、被監視状態に変装するのである。
しかも金閣寺は、丑待ちの鏡に通り魔のように現われて来て養賢の「私」というものを誰にも見られないように照らし出して脅かした。それは、現在の広がりの萎縮や(自由や孤独とは何かまるで違う)最後の一羽であることに面して発音筋が強梗、首筋が真っ赤に怒張してぜぜることの、再発である。その、世界の終わりの断面としての丑待ちの鏡に負い目があるかのように呼び出された擬似半陰陽の最後の一羽は(しかも金閣寺となって)伝達されないために伝達して炎上するのである。


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