碧空1496 phantom circuit 4(旅愁と羞恥のキマイラ)
1496 phantom circuit 4(旅愁と羞恥のキマイラ)
置き去りにされたカジモドの呪われた受肉を老女たちを通してのぞき込むことが、何かずうっと前から知っているのにまるで知らない、とでもいうように、エスメラルダが尖り口をする、その超絶目撃(目配せ)はまるで他の誰かの尖り口の移植のようだ。
あの、カジモドとエスメラルダに割り振られた表情の、しかめっ面と尖り口の、奇妙なほどにピタリとしたくるいのない感じは、この目配せの気配なのだ。
しかし訂正の余地が残されていることこそは現実性の、その引き伸ばされた感じであるから、このくるいのなさは既視感なのである。
こうして、尖り口のエスメラルダは世界の終わりの質量化、雌のブラックホールである。つまり、ノートルダム大聖堂の上からの現在の広がりは、鐘声となって小さく小さく(まるで、ズーム・アップするように)縮むカジモドのしかめっ面と、同じようにして(魔法の形式に従って)流浪するように踊るエスメラルダの尖り口とが、単に雌雄異体なのではなく、雌雄異体のブラックホールというような旅愁と羞恥の混合の気配である。


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