Thursday, June 06, 2019

碧空1507 phantom circuit15(輪郭喪失なのに誰とも入れ替わらない)

1507 phantom circuit15(輪郭喪失なのに誰とも入れ替わらない)  「The Sun Also Rises」(E.Hemingway )は、盲目なまでに根深い追跡の気配が、蔓植物のように絡みついた、打ち寄せる敷浪のように思いがけない景色である。それは、「私」が見つけたのに「私」を探しているようではなく、「私」を見つけたはずなのに「私」を探しているような、根深いまでに輪郭喪失(透明)にして、失踪なのか失踪からの生還なのか分からない。  「わらの女」(C.Arley )の、その魔女裁判は体外受胎的告白であるが、その、系統発生的な青い水脈は腹話術と推理の間で地表に出ようと藻掻いてもいる。履歴改竄のペルソナが顔面に肉づきになってしまいそうで剥がそうとするが、しかし剥がれない。それは、履歴改竄じみた位格(ペルソナ)を釘づけにした磔刑とは何かまるで違う。スリラーの効果を高めるためには眼耳鼻舌身のどれかが麻痺するように、顔面に張りついたペルソナが麻痺したように鬱然と肉づきになって、益々肉づきになって剥がれないように体外受胎的陰謀に戛々と追い詰められ、輪郭喪失なのに誰とも入れ替わらないのである。

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