碧空1530 phantom circuit38(帝王性と怪物性の異常接近)
1530 phantom circuit38(帝王性と怪物性の異常接近)
パリの死角、地下水道、廃墟のように打ち捨てられた屋敷、どん底、修道院などに潜伏して、遁走する存在、ジャン・ヴァルジャンとは、フランスと呼ばれるリクエストに応える媒体、器官の延長、metamorphosis である。そうした地下水脈的リクエストは、ナポレオンと呼ばれる媒体の、そのクエストを導くゴーストでもある。
帝王であることに面して運命に面してしまう。つまり(まるで生首が切断された胴体を探して彷徨うように)自由に面して呼び出されていることに面してしまう。この不安と眩惑と救済がナポレオンに顕れたので、ナポレオンを取り巻いて何処からともなく涌き出していつの間にか群集する野次馬は、度忘れしていられる。そのようにして、ジャン・ヴァルジャンには、何が顕れたのか。鎖と鉄の首かせにぞろぞろ繋がれた徒刑囚となって要約されるような、どん底、惨憺、汚辱、奇形であることから伝染病や癩病のように隔離されること、履歴改竄を重ねても顔が地下生活から浮かび上がらない幽霊であること、しかしそれは、後れて来る主体であることに面して媒体であることに面してしまう、というよりは、運命に面して自由に面してしまう(まるで胴体が切断された生首を探して彷徨うような)怪物性なのである。
これは何も変わらないのであるが、ナポレオンとジャン・ヴァルジャンが応えるリクエストの相続、あるいは異常接近は、対極的な大気を呼吸してクエストが棲み分けてしまう。


0 Comments:
Post a Comment
<< Home