碧空1544 phantom circuit52(カテリーナ!と叫ぶと俄然周りの女がみんなカテリーナになる!)
1544 phantom circuit52(カテリーナ!と叫ぶと俄然周りの女がみんなカテリーナになる!)
夢遊病のようにひたすら前進して、前進するというよりは導かれ、近づいて来る「Les Miserables」の華の、その魔法の運動は、「Notre-Dame-de-Fleurs」(Jean Genet)を貫く青い水脈である。
それは、後れて来るジャンを脅かす範疇が、闇の中を、裏階段を忍び寄って人々の「安らかな眠りのなかを通り過ぎていく」若い人殺しの跫音や鶏冠や蹴爪に変身して肉薄し、あるいは広がる宇宙が未だ雌雄異体の気配ではないために闘争しなければならず、しかも一瞥で決するように迫られていて、転移発作的に射精してしまうような乳白色の混乱(あるいは天の川)を、精神分析されたがっているのである。
しかしそれは、小鳥の舌を通して囀るようにしゃべり出す自白すなわち魔法や腹話術がいつの間にか神託や精神分析に入れ替わることでしかない。乳白色の夢想という夢想が「紙巻煙草」のような捧げ物に化け、しかし捧げ物というアイデアは、魔法の運動をこっそり高速撮影してスロー・モーションを静止画像にまで劇化するための口実に過ぎない。
そんなふうにして、村の子供たちや農夫の誰にも似ていて今にも雄の個体になるはずだったのにそうはならないディヴィーヌは、一瞥で闘争を決して、女装して、シエナの聖女カテリーナに(死刑囚の独房に一夜を過ごして死刑囚の陽物の上で頭を休めたという聖女カテリーナに)近づきたいと小鳥が囀るように自白しつつ小鳥が囀るような「探偵」誌を読んでいる。
カテリーナが聖女になって近づいて来るのは、女装のカテリーナが個体ではなくなって夢遊病のように前進して来るのに向かって、カテリーナ!と叫ぶと俄然周りの女がみんなカテリーナになる!といったふうに導かれるのである。


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