碧空1548 phantom circuit56(毒蛇に告白する)
1548 phantom circuit56(毒蛇に告白する)
「大地の精神の中心」である小部屋の木の便座は、告解室、独房、というように方解して、宝石や定理のように採掘される。周りの女がすべてカテリーナになって一つの生き物のような、全身が陽根のような擬似半陰陽のカテリーナの現在の広がりは雌雄異体の気配ではなく、雌雄異体の気配が真偽異体や善悪異体の気配といつの間にか入れ替わってしまう中間性の崖を、小石が誘いあって分岐してぱらぱら落ちていくのである。
後のディヴィーヌ、浮浪児キュラフロアは透明な存在であるが、それは孤独とは何かまるで違う。それは「レコードプレイヤーから流れ出る音楽のように、月の光のように忍び込む。」(Jean Genet)それは、笛の音に操られて鎌首を擡げる毒蛇の舌に向かって告白する。他の誰かの舌を通して隠語的に(姿の見えない、国語に登録されまいとする幻の言葉となって)告白する練習であるし、秘密を分け合おうとして毒を盛る練習である。
秘密は(従って告白の衝動は)つねに裏切る。それが嘘ではないとは、誰も証明できないのである。告白は、「私」の危機から遁走するために「私」を守護するはずの秘密を吐き出してしまう逆遁走であるが、つまり、どうしてそんなエラーじみたことが救済になるのだろうと訝しさは治らない。
一体言葉は届かないものなのに、届かぬ思いから遁走しようとして逆遁走してしまう。言葉は祈りも同然で、それは届かなさを再現する(エコーする)に過ぎないのに、届かなさを反復、拡大するエコーがまるで救済であるかのようなのだ。


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