碧空1582 phantom circuit90(光る範疇性)
1582 phantom circuit90(光る範疇性)
「私」が宙に飛ぶようにして、盗まれるようにして「私」ではなくなる、「私」ではなくなるようにして何よりも「私」が祟る(すなわち「私」が姿を現わすと同時に姿を晦ます)生首は、何よりもまぼろしである「私」がまぼろしでなくなって魔術的に光るのである。この光る範疇性の、その、小さく小さく(まるでズーム・アップするように)縮む魔法が、凡そ救済の図式である。
霊が揚羽となって閃き、あるいは宙に蜻蛉を切り、あるいは法師蝉となってしがみつくと感じられる、この、この世ならぬものの忽然とした出現は、人の姿から昆虫の姿に戦慄的に変身する気配なのではなく、この次元跳躍は、通信媒体としてのmetamorphosis である。つまり、霊が言葉のように器官を延長した半具体なのである。しかし、この揚羽、この蜻蛉、この法師蝉は、範疇を使いこなすような言葉なのではなく、失語症のように不寛容で(すなわち、言葉が、或るこの世のものに張りついてしまって同種のものに使い回せない、更に不寛容になれば同一のものにさえ融通できないように)極端に私的な超絶隠語である。
極端に私的な細部(思考)である、この法師蝉の平均値は種の夢ではなく、生首である。その出現が何か救済であるとすれば、それは生首的に光るのである。


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