碧空1586 phantom circuit94(世相と光る超絶隠語)
1586 phantom circuit94(世相と光る超絶隠語)
世相は海の底りのようだ。それは、熱平衡に向かうはずの広がりが極端に私的になるようにして、生首が盗まれているようにして、薄気味悪く迫る。後れて来るはずの本能が途中までしかやって来ない、すなわち底知れぬ命令の目的と場所が解離しない、自由落下なのである。つまり、底知れぬ命令の底りである。
世相は、種や平均値や熱平衡が悪の浸透であるようにして光る超絶隠語、失語症を以てする首実検である。底知れぬ命令がこの世のものとなって姿を現わすためには姿を晦まさなければならないし、魂は先立つはずなのに後れて来る本能であるために潜伏しなければならない。
Mephistophelesの苦悶は、魂の形姿も正体も分からないのに契約することであるが、胸掻き毟るような世相の潮騒のようにざわめく沈黙も、何だか分からない約束を、忘れていた煩悩のように孕んでいる。


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