Thursday, November 07, 2019

碧空1610 phantom circuit118(「黄色い部屋」の秘密性)

1610 phantom circuit118(「黄色い部屋」の秘密性)  「黄色い部屋の秘密」(Gaston Leroux )は、生首の出そうな場所の秘密を洩らすのではない。それは、痕跡から出発して秘密を暴くために反省するが、その告白と伝聞と推理の分業は、反隠語となって呪術的に身代わりに立つことである。  しかし、この器官の延長は、頑固な痕跡や不可解な現象が壁に写す未知の影の、その秘密の如何わしさを暴けない。「黄色い部屋」の壁に写るはずのマチルド嬢の影や、実在するはずの襲撃者の「壁に写る影」が不可解だとすれば、それは、実在するように(従って実在するかのように)まじなう不随意の解離が失効して、身代わりに立てないのである。  この器官の延長の頓挫は、オイディプス王が終わるところで極端にオイディプス的になる秘密に座礁するようなことではなく、マルチド嬢が眠っているはずの「黄色い部屋」はマルチド嬢の生首が陰唇の位置異常を起こした人面瘡のようにしゃべり出しそうな場所、眠りが深まるにつれていばらに覆われるがその沈黙の蔓延が饒舌であるような秘密に乗り上げるのである。  つまり、この「黄色い部屋」に他に誰もいないのは、その他の誰かが「黄色い部屋」そのものに膨れ上がって姿を現わすと同時に姿を晦ました(壁にかかった鏡が部屋を呑み込んでいるような)自食の光景の秘密性なのである。

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