碧空1613 phantom circuit121(折檻と監視に零落する)
1613 phantom circuit121(折檻と監視に零落する)
マチルド嬢の「黄色い部屋」の虚偽じみた症状とは、その「壁に写る影」(VENUS )の、その三重の仮面性である。それは、まるで婚約者のダルザックと瓜二つのもう一人のダルザックと密通するようなものであるが、呪術的に身代わりに立つと、それは、婚約者のダルザックが不在の間に襲撃者(もう一人のダルザック)がやって来るように見えるし、犯人を捕まえた瞬間に犯人が消え失せてしまうようにも見えてしまう。オイディプス王が終わるところで極端にオイディプス的になる運命の、その、流された貴種の三重の仮面性は、そんなふうなミステリに零落してしまう。
マルチド嬢の虚偽じみた症状の無意識は、二重の懲罰に変形する。襲撃の悪夢に魘されることが憑いた狐を叩き出そうとする折檻の如くであること、そしてもう一つは、主楼荘の内儀マチウと城の森番の密会を城が監視している気配である。この、隠れなさの変形が、「黄色い部屋」が孕んでいる密室性や密会性である。


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