碧空1615 phantom circuit123(ゴシック症状、ミステリ症状)
1615 phantom circuit123(ゴシック症状、ミステリ症状)
被襲撃や被追跡や被監視の「壁に写る影」が襲撃や追跡や監視であるような悪夢の隠れなさは、まるで陰唇が口唇の位置に遊走して秘密が制御不能の饒舌になる人面瘡のようなゴシック症状である。それは、不在の間に犯人がやって来るミステリ症状の変脱であり、「黄色い部屋の秘密」(G.Leroux)の密会性と密室性が、マチルド嬢が襲われるが沈黙する第一の事件とそれが悪夢となって饒舌になる第二の事件とに分解するのは、このミステリ症状とゴシック症状が知らぬ間に変脱するのである。
第一の事件が密室性に見えるのは第二の事件が密室性に見える効果の波及に過ぎなく、それはむしろ密会性が襲撃の気配に変装している。この、漠として何であるか分からない不在の間に犯人が肉薄して脅かしかける気配は、三重の仮面性(現実性、媒体性、幽霊性)のゴシックの気配と区別がつかないのである。


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