Saturday, November 16, 2019

碧空1616 phantom circuit124(生首は黄泉返るが、振り返らない)

1616 phantom circuit124(生首は黄泉返るが、振り返らない)  漠として何であるか分からない不在の間に犯人の気配が迫って消えるところで主体が後れて来る変脱が、底知れぬ命令の、姿を現わすと同時に姿を晦ます密会性の、その三重の仮面性である。それは、運命の女のように(致命的な弾丸に追いつかれるように)漠として何であるか分からない不在の間にやって来るのである。  襲う(不意に脅かすように黄泉返る)記憶は、現在の気分や状況の混沌に形式を与えて(すなわち、命令となって)黄泉返るようでもあるし、反転して、漠とした現在の気分や状況の抽象こそは記憶を実在するように(従って実在するかのように)黄泉返らせるようでもある。  そんなふうにして、生首は黄泉返るが、振り返らない。  呪術的に身代わりに立つ器官の延長は、実在するように(従って実在するかのように)まじなう、振り返る技術であるが、その器官の延長の極は技術というよりは「私」が終わるところで極端に私的になる発作で、世界は終わる。黄泉返るが、振り返らない生首の出現は、範疇の余地のない焦燥と失語症に出る。metamorphosis が途中で頓挫する(いや)途中で頓挫する限りでmetamorphosis なのである。

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