Sunday, December 22, 2019

碧空1639 phantom circuit147(贋の反省)

1639 phantom circuit147(贋の反省)  後れて来る「私」の変脱として後れて来る悔い、「私」というものが不思議にも後悔そのものであるようであさましがる。そのようにして、ジュリエットが「悪徳の栄え」を奔逸に放射し尽くして変脱するのがジュスティーヌである。  屍体が漸次腐敗していく諸段階が蝋細工になって眺められる、その減速撮影の効果にジュリエットはまるで射精してしまう。その「自然の」気味悪い光景が他の誰かの屍体に顕れたので、ジュリエットは度忘れしていられるのであるが、その間もジュリエットの肉体をもの静かに蝕んでいる経年劣化と闇を押し退けようとするように淫靡と残忍を極め、他の誰かの身体を犠牲にすれば、その分だけいやらしくおぞましい蛆も同然であることを回避していられるというふうだ。  もう一体分の器官や組織を孕んだ奇形膿腫のなかの、シャムの双子の片割れであることが、ジュリエットの異形性(「悪徳の栄え」)であるが、その、後れて来る主体に気味の悪い進化論的な減速撮影が及ぼす効果とは、個と種が解離する反省の「壁に写る影」が後悔であることや、ジュリエットが独りでいる部屋の壁に人知れず写る影がジュスティーヌに変脱していることが度忘れ状態になる一方で、ジュリエットの部屋がジュスティーヌの出そうな場所になるのである。それは、罪のように場所となって潜伏している種があふれ出して、後れて来るはずの主体や後れて来るはずの悔いが途中までしかやって来ない贋の反省である。

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